腕時計の中身って一緒じゃないの?
腕時計を探している時、こういった記述をよく見かけることがあります。
時計の中に入っている機械は「ムーブメント」と呼ばれ、腕時計の心臓にあたる重要な機能を持っています。
今回はそんな「ムーブメント」について、紹介したいと思います!
何が違うの?
動力を生み出す構造が違います。
機械式はぜんまい、クォーツは電池、ソーラーは太陽光を使っています。
ムーブメントが複雑なほど値段は上がるので、一般的にクォーツ式は安く機械式は高い傾向があります。
素材が同じ腕時計でも構造や値段が違ってくるんですよ。
機械式腕時計ってどんなもの?
機械式腕時計は内部のゼンマイが巻き上がることで、動力を生み出す構造をした腕時計のことです。
電池や電子回路で動いていない為、内部のパーツをくみ直せば半永久的に使えます。
この組みなおし作業を「オーバーホール」といいます。
※「オーバーホール」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。
-
【維持に必要】定期メンテナンスのオーバーホール
続きを見る
自動巻きと手巻きがある
機械式腕時計は電池で動くタイプでは無いので、動かすにはゼンマイを巻き上げる必要があります。
腕の揺れをゼンマイの動力源とする「自動巻き」か、時計横のリューズを「手巻き」して、動力源を確保していく必要があります。
最近では自動巻きのタイプで手動巻きにも対応している、というモデルも多いようです。
クォーツ式腕時計ってどんなもの?
クォーツ式腕時計は水晶に電池の電流を流し、振動を発生させることで動力を生み出す構造をした腕時計のことです。
電池式なので常に動き続け、切れたら電池を変える形になります。
また動作に必要な電子回路の寿命は7~10年ほどですが、修理に出すより買いなおしたほうが安いです。
そのため、寿命が切れたら新しい腕時計に買い替えるのが一般的です。
ソーラー式腕時計ってどんなもの?
日光や蛍光灯の光で動力を生み出す腕時計です。
電波受信機能を兼ね備えたものが多いですが、無いのものもあります。
電池交換の手間が無いのが魅力的ですが、電子回路を使用しているのでやはり10年程で寿命が来ます。
そのため、半永久的に使えるわけではなくクォーツ式と同じように寿命がきたら買い替えることが多いです。
保存時の注意点
暗いところでの保存はNGです!
ソーラー電波時計は光による発電を行い、標準電波を受信して時間を自動的に合わせています。
その為、暗いところで保存するとソーラーの電池の光発電効率が悪化し続け、電波も受信できず時間も合わなくなってしまいます。
机の中にしまいっぱなしにせず、なるべく明るい場所に置いておきましょう。
どんなメーカーが作ってるの?
機械式腕時計
有名なのはスイス産の機械式腕時計です。
昔から作り続けているだけあり、圧倒的なブランド数と歴史を誇ります。
ステータスが高めの高級ブランドが多く、その頂点と言われるパテックフィリップ
が人気ですね。
もし機械式腕時計に興味があったらスイス産のブランドから選ぶと良いですよ!
※「製造国ごとの特徴」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。
-
【スイス産から国産まで】製造国から選ぶブランド
続きを見る
クォーツ式腕時計
ほとんどのメーカーが展開しているクォーツ式腕時計ですが、やっぱりセイコー
の腕時計が有名ですね。
日本最大の時計メーカーとして名を馳せていますが、実は機械式腕時計が主流だった時代にクォーツショックを起こし、シェアの9割以上をクォーツ式腕時計に変えたすごいメーカーなんですよ!
※「クォーツショック」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。
-
【機械式VSクォーツ式】腕時計の役割を分けたクォーツショック
続きを見る
ソーラー式腕時計
カシオやベーリング等、様々なメーカーが展開していますが、特に力を入れているのはシチズンかなと思います。
1976年に世界で初めて「クリストロン ソーラーセル」という、アナログ式の光発電時計を販売したことで有名なメーカーです。
太陽や室内の光を電気に変えて蓄える「エコ・ドライブ」という独自の技術を搭載したシリーズが人気ですね。
エコドライブ以外にも多数展開しているので、ソーラー式腕時計を探す時はシチズンから調べてみると良いですよ!
中身を気にして選ぼう!
同じように見える腕時計、ムーブメントの構造だけでこんなに動きが違うんです。
さらに自社でムーブメントを開発しているブランドも多く、ブランドの数以上にムーブメントは存在します。
シーンに合わせて違うタイプの腕時計を持っておくと、使い分けが簡単にできて良いですよ!