腕時計

【ムーブメント供給停止】ETA問題、アフターサービスはどうなる?

※「ムーブメント」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。

【中身が全然違う】機械式、クォーツ式、ソーラー式って何?

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ETAって何?

ETA(エタ)は「スウォッチグループ」に所属する、腕時計のムーブメントを開発している会社です。

※「所属グループ」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。

【派閥】ブランドの方向性に関わる所属グループ

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もともとは様々なブランドにムーブメントのパーツを提供していましたが2020年1月以降、供給が完全に停止しています。

ETA製のムーブメントを使ってる腕時計って結構あるよね!?オーバーホールとか修理の時のパーツどうなるんだろう・・・

今回はそんな「ETA問題」について、紹介したいと思います!

どういう経緯でそうなったの?

2002年、ETAは「スウォッチ・グループに属さないブランドへの未完成ムーブメントとパーツの供給を徐々に減らし、2006年に完全停止する」という宣言を出しました。

当時、約9割の腕時計のムーブメントがETA製でしたが買取価格は上がっていませんでした。

腕時計の肝であるムーブメントをETAに頼り、ほとんどのブランドは技術以外のマーケティングで利益を上げている・・・そんな状態を危惧してのことでした。

この宣言からの一連の問題が「ETA問題」または「ETA○○年問題」と呼ばれています

もめるスイス国内

当然、使用していたメーカーからは抗議が上がり、スイス連邦競売政策委員会との交渉で完全停止は2006年から2010年に延期されました。

そのため、最初はETA2010問題だったのですが結局2020年まで延期されたので「ETA2020問題」なんて呼ばれるようになりました。

限りあるETA製パーツの値段はガンガン上がっていき市場は大混乱です。

将来を危惧した各ブランド達は自社でムーブメントを開発することになったのでした。

ムーブメントを変更

当時、自社で一からムーブメントを作っている会社はあまりなく、未完成のETAムーブメントがベースまたはそのまま使っているという状態でした。

それだけETA製のムーブメントが優れていたということでもありますが、供給を停止されると腕時計が作れなくなってしまいます。

そのため、多くのブランドが自社で開発したムーブメントを使ったり、別のムーブメント会社に委託したりと対策を行い、危機を乗り越えています。

影響を受けないブランドもある

対策してるなら大丈夫そうだけど・・・でもETA製のムーブメントを使ってる腕時計ってまだたくさんあるよ?

ETAの宣言通り、ごく一部の信頼関係のある企業や、スウォッチ・グループに属しているブランド供給を受けられるので影響はありません。

2021年1月現在、スウォッチ・グループに所属しているブランドは以下になります。

今後の展開

現在、ETA製のムーブメント供給は一時的に完全停止している、という状態です。

宣言から約20年経ち各ブランドも対策をしているので、アフターサービスが受けられなくなるというわけではなさそうです。

ですが、スウォッチグループ以外で昔と同じパーツを使う場合は維持費や修理費が高くなり、費用を下げずに修理が行われる場合はおそらく代替パーツが組み込まれていくことになるのかな、と思います。

気になる方はオーバーホールに出す時にパーツがどうなるか、聞いてみたほうがいいかもしれませんね。



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