※「機械式やクォーツ式」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。
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【中身が全然違う】機械式、クォーツ式、ソーラー式って何?
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安価で正確なクォーツ式腕時計
腕時計にはぜんまいで動く「機械式」と電池で動く「クォーツ式」の2種類があります。
精度が高く価格も安いので、現在流通しているほとんどの腕時計がクォーツ式です。
実は「クォーツショック」と呼ばれる出来事がきっかけで、それまであったシェアや役割が大きく変わってしまい、現在にもその影響を与えています。
今回はそんな「クォーツショック」について、紹介したいと思います!
クォーツショックとは?
1969年、有名な日本の時計ブランド「セイコー」が「アストロン」という世界で初めてのクォーツ式腕時計を発売しました。
クォーツ式腕時計は機械式腕時計よりも精度が高く、安いうえにゼンマイを巻かなくても動く画期的な時計でした。
人々は機械式よりも安くて便利なクォーツ式を選ぶようになり、この衝撃は「クォーツショック」と呼ばれるようになりました。
※ちなみに同じ時期にジラールペルゴもクォーツ式腕時計を開発していたのですがセイコーの方が早く世界初の量産をしています。
クォーツショックで市場が崩壊
機械式が売れなくなったことで、ブランドは倒産したり休眠せざるを得なくなったりと市場からどんどん消えていくことになりました。
機械式腕時計のブランドの多くが巨大グループに所属していますが、これはクォーツショックによる経営難がきっかけになっています。
※「所属グループ」については以下の記事で触れているので、よろしければご覧ください。
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【派閥】ブランドの方向性に関わる所属グループ
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ブランパンからの復活
1983年、オメガの専務だった「ジャン・クロード・ビバー」により休眠状態に陥っていたブランパンが買収されます。
買収されたブランパンはパーペチュアルカレンダーやムーンフェイズ等を搭載したモデルを継続的に発売していきました。
機械式腕時計にしか出来ない機構を発表し続けることで人気を復活させる狙いがあったようです。
読みは見事に当たり、クォーツ式に無い技術や高級感に魅了された人々は機械式腕時計を求めるようになりました。
どちらを買うかは求めるもので変わる
- クォーツ式:実用品としての腕時計
- 機械式:高級嗜好品としてのアクセサリー
クォーツショックにより、実用品としての存在しかなかった腕時計に新たな価値観が生まれました。
よく高級な機械式腕時計がステータスの象徴として使われたり、クォーツ式の腕時計が実用品として使われるのは、こういう背景があるからなんです。
それぞれの良い所を踏まえて、ニーズにあった腕時計を選びましょう!